長期投資かつ分散投資の重要性は以前の投稿においても述べたとおりです。分散投資は、資産クラスの分散以外に、時間分散という考え方があります。時間をずらして投資するということです。
100万円が手元にあるとします。これを一括投資するのではなく、例えば20万円を5回に分けて投資することをいいます。なぜそのような手間をかけるのでしょうか。それは投資する絶好のタイミングを正確に判断することができないからです。
あるとき絶好のチャンスと思って購入した株が、さらに下落することがあります。最初に大きく下げたところですべての資金を投じてしまうと、さらに下げた時に追加投資できないだけでなく、投じた資金に大きな損失が生じます。
複数回に分けて投資することで、さらに安くなった時に追加投資できるため、平均すれば買付単価を下げることができます。それが「積立投資」の考え方であり、この時間分散によって得られる効果をシステム化したものといえます。
毎月一定金額で購入し続けることにより、価格が高いときは購入できる株数は少なく、価格が低いときには買える株数が多くなるため、相対的に高値で購入できる株数が少なくなる一方、安値で購入できる株数が多くなります。
このように、全体で平均したときの買付単価が下がっていくような購入手法を「ドルコスト平均法」といいます。ドルコスト平均効果は積み立てていく中で、徐々に効果が発揮されます。マーケットは長期的に見た時、上昇・下落を繰り返すので、長期にわたって積立投資を継続することにより、その効果が高まっていくのです。
将来的に、月々の積立金額を増額したり、下落トレンドを見極めてスポットで購入すれば、さらにドルコスト平均効果は高まります。とにかく、長期運用・資産分散・時間分散を実践することにより、堅実な資産形成を実現することができるでしょう。
メリットの少ない現預金での保有は生活費の6ヶ月分程度を上限とし、それ以上の余剰資金は戦略的に資産配分を行い、投資することをお勧めします。