#71 量子コンピュータ×ブロックチェーン①

一部で懸念されているのが、ブロックチェーン技術が公開鍵暗号または「非対称暗号」と呼ばれる暗号方式を使用しているため、量子コンピュータの存在はその安全性を脅かすのではないかという指摘です。

 

非対称暗号は、秘密鍵と公開鍵をペアで生成します。秘密鍵は秘密にされ、公開鍵は一般公開されます。また非対称暗号は、「一方向性関数」と呼ばれる暗号理論などで用いられる概念であり、秘密鍵から公開鍵は容易に導き出すことができるが、その逆はできないというものです。

 

ブロックチェーンでは、公開鍵はウォレットアドレスとして使用され、秘密鍵はウォレット内へのアクセス(送金等)に使用されます。つまり理論上では、公開鍵は秘密鍵から導き出すことができますが、秘密鍵は公開鍵(ウォレットアドレス)からは導き出すことができません。

 

しかし、量子コンピュータが加わると、話が変わってきます。「ショアのアルゴリズム」を使えば、量子コンピュータはブロックチェーン上にある公開鍵(ウォレットアドレス)から秘密鍵を導き出すことが理論上可能になります。これは明らかに、現在のブロックチェーン暗号技術に対する脅威となり得るものですが、現実にはそのような可能性はとても低いと言われています。

  

つづきは明日。

#70  量子コンピュータとデジタルセキュリティの未来

量子コンピュータは、従来のネットワークに対し、常識を覆す変革を起こす可能性を秘めています。

「量子インターネット」が誕生すれば、量子力学に基づいた情報交換がデバイス間で行えるようになり、従来型コンピュータでは不可能なオンラインコミュニケーションや情報処理のプラットフォームとしても機能するようになるのです。

 

量子インターネットは、これまでよりもはるかに信頼性の高いデジタルセキュリティを実現します。その代表的なものが「量子鍵配送(QKD)」で、これにより暗号通信技術が劇的に改善される見込みです。従来の暗号化されたメッセージやデータ通信と同じように、QKDのアルゴリズムは、2つ以上のデバイス間で暗号鍵を共有し、それによって情報を非公開で交換します。しかしQKDでは、暗号鍵の交換そのものを完全に秘密にすることができ、ユーザーに対して脅威の存在を警告することもできるようになります。

 

理論上、量子コンピュータは不可能なパターンの識別、分類、予測を行うことができる比類なき能力を持つとされます。例えば、金融企業が量子コンピュータを使った統計的な確率を計算するプログラムを導入し、マーケットに影響を与えるようなパターンの可能性を予測することなどができるようになります。これによって投資利益の向上や、新たな投資機会の創出も見込まれるのです。

#69 量子コンピュータとは

量子コンピュータと従来型コンピュータとの大きな違いは、情報の処理方法にあります。従来型コンピュータは、情報を「0」と「1」のいずれかの状態で保持します。この「0」と「1」は、それぞれ電圧の高低差による電気信号(ビット)であり、その信号をデータとして出力し、画面に表示します。

 

一方、量子コンピュータは、情報を量子ビット(Qubitキュービット)として保持します。量子ビットでは、量子力学的な振る舞いにより「0」と「1」の両方の性質をもつ「重ね合わせ」と呼ばれる独特な状態が存在します。つまり、「0」でもあり、「1」でもある状態のことです。どういうこと(^^;)??

  

というわけで、量子コンピュータは理論上、従来型コンピュータよりも指数関数的に速くデータを処理することができ、従来型コンピュータでは不可能とされてきた複雑な計算を処理することができるとされます。

 

数学者のピーター・ショアが開発した「ショアのアルゴリズム」は、整数の因数分解に優れており、公開鍵暗号が量子を用いた装置によって簡単に破られてしまうことを指摘しました。つまりこのアルゴリズムは、量子コンピュータが最先端のスーパーコンピュータよりも遥かに速く複雑な計算を解けることを証明したのです。

 

例えば、300桁の数字の因数分解には、従来型コンピュータでは数千年かかるとされますが、ショアのアルゴリズムを使うと、理論上、数時間でこの作業を行うことができるのです。

 

スーパーコンピュータの能力を遥かに上回る能力を持つ量子コンピュータが普及することにより、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか、いくつかのテーマに触れてみたいと思います。

#68 ブロックチェーン × トレーサビリティ

いまや、ブロックチェーン技術は暗号通貨にとどまらず、様々な非金融領域のビジネスで導入が加速しています。現在、最も大きな転換期を迎えていると言えるのが物流サプライチェーンにおけるトレーサビリティシステムへのブロックチェーン技術の導入です。

 

サプライチェーンとは、物流分野における部材の受注や調達・製造・在庫管理・配送・販売・消費・廃棄に至るまでの一連の流れのことを言い、部品会社から配送業者、製造メーカー、小売店、そして消費者のてに渡るまで、複雑な流通経路を辿っています。

 

そこで重要視されるのがトレーサビリティです。トレーサビリティとは、英単語のトレース(Trace)とアビリティ(Ability)を組み合わせた造語であり、直訳すると「追跡能力」となります。文字通り、部材の調達から消費・廃棄に至るまでの過程において、製品又は商品の情報を常に追跡可能な状態にしておく能力のことを指します。

 

一般的なものとしては、部品や製品単位の識別番号や、製造日時を特定するためのロット番号などがあります。いずれも、製品の不具合や商品の異常が発覚した時に、速やかに該当品を特定し、回収できるといった役割を持ちます。

 

つまり、サプライチェーンにおける製品の流れを上流から下流、下流から上流へと双方向に追跡し、確認・記録できる状態を維持しておくことが求められるのです。

 

消費者からすれば、トレーサビリティがしっかりと機能していることは生産者や販売者に対する「信頼の尺度」になっており、購入する際の動機付けにもなるものです。

 

ブロックチェーン技術がサプライチェーンのトレーサビリティに導入されることで得られるメリットのひとつとして、「真正性の担保」があります。情報の改ざんに対して強い耐性を持つブロックチェーンにより、正しく書き込まれた情報は真正性が確保され、トラブル発生時には責任分界点を明確にすることができます。

 

各事業者が同一のプラットフォームに情報を入力し、一元管理することによって取引情報やその履歴の共有が容易になり、異常時の追跡スピードも格段に改善します。また、製品の所在や流通経路が明確になり、在庫管理もより正確なものになるでしょう。

 

消費者は、スマートフォンで商品に付いたQRコードを読み取り、生産者やその商品の流通経路を遡って確認できます。新たな取り組みとして、そのプラットフォーム内で独自のトークンを発行することにより、生産者と消費者の間にネットワークを形成し、「いいね」をするような感覚で生産者に対してチップや感謝の気持ちを送信できるようにするといった計画もあります。

 

こうした社会実験は世界中で行われており、それが当たり前になる日も、そう遠くないのかも知れません。

#67 ブロックチェーン技術の応用

現在、多くの企業が既存のビジネスにおける業務プロセスの改善と効率化を図るため、ブロックチェーン技術の導入を進めています。では実際のところ、どの分野にどのような影響をもたらすのか、いくつかの例を挙げてみたいと思います。

 

◻️金融

国際送金(決済)。通常、国境を越えてお金を移動させるには、口座開設・申請書類・審査など、多くの手間と時間がかかる上、高額な手数料が発生します。セキュリティに万全を期すのはありがたい事ですが、送金・受金業務を担う銀行は、国際送金を行うために仲介役としてさまざまな処理を行う必要があります。

 

一方、ブロックチェーン技術を応用すれば、通常数日はかかる国際送金をわずか数秒で、セキュリティに妥協することなく行うことができるようになるでしょう。ブロックチェーンは第三者を介することなく、国際送金をスマホひとつで、すべての人が実行できる機会を与えてくれます。

 

◻️サプライチェーン

生産者から消費者へ移動する製品の流通に関わる一連の流れのことを指す「サプライチェーン」。製品が倉庫Aから倉庫Bへ運ばれる過程において、紛失、盗難、偽造、混載など、さまざまな問題が生じる要素があり、管理の必要な部分が多くあります。

 

消費者からすれば、製品がどこから来たのか、それが本物であるかどうかの確証が持てないまま製品を購入することになります。しかし、サプライチェーンは透明性が担保され、安心安全で信頼できるものでなくてはなりません。もうすでにブロックチェーン技術との相性の良さが伺えますね。

 

一般的な手法として、製品情報を即座に読み取るRFIDタグを製品につける技術があります。「Radio Frequency Identification」の略語で、日本語では「近距離無線通信を用いた自動認識技術」と定義されます。メモリ内蔵の数ミリ程度のタグと、読み取り装置の間で電磁波を交信させ、情報を読み取ったり情報を書き換えたりする非接触型の自動認識技術です。

 

サプライチェーンでの取引履歴をブロックチェーン上に記録することで、サプライヤーは製品が辿ってきた生産工程や流通ルートを追跡できるようになり、取引の透明性と信頼が担保されます。

 

消費者からしても、スーパーで購入した肉や魚がどこの生産者からやってきたのかを追跡できれば、「国産」「産地直送」と表記された製品に対し、実際にその要件を満たしているかどうかを確認することもできます。

 

◻️自動車

自動車の走行距離や販売履歴の追跡ができることは購入者に安心感を与えます。一方、保険会社からすれば顧客がどのような運転をしているのかを追跡することにより、加入者の運転状況を容易に把握できるようになります。アクセルやブレーキの踏み方、コーナリングのスピードなどあらゆる情報を審査に組み入れることもできるようになります。こわいこわい(笑)

 

ブロックチェーンに限らず、最先端のテクノロジーを融合することにより、私たちの想像の常に先を行く技術革新と、それにより実現される「可能性」の数々。今後の数年間で、ありとあらゆる分野・領域において破壊的イノベーションが巻き起こることでしょう。

#66 ブロックチェーン×IoT

ブロックチェーン技術と相性の良い「IoT」を組み合わせることにより、暗号通貨以外のさまざまな分野で活用されています。注目されている代表的な分野の実用例などを挙げてみたいと思います。

 

□ 自動車

すでに利用されている方も多いと思いますが、自動車とインターネットをつなぐことで、運転中の着信をナビと連携させてハンズフリーで通話したり、スマホと連動してディスプレイにコンテンツを表示したり音楽を流したりすることが可能になりました。

 

また、交通事故などの緊急時に自動で最寄りのコールセンターへ通信を行う「緊急コールシステム」が搭載された「コネクティッドカー」なども出てきており、注目を集めているほか、低遅延・高信頼性の自動運転システムの開発も進み、「走行」「方向転換」「停止」など基本的動作の自動化も実現されています。

 

□ 医療

IoT技術を用いることで患者の診断カルテや検査結果、処方箋などのデータを医療機関で共有することが可能となり、患者の生活習慣や病気の傾向、治療の効果をはじめ、あらゆる側面からデータを解析し、新薬の開発や新たな治療法の研究に活かされています。

 

また、患者の健康状態の遠隔管理や、医療機関との連携による患者の見守り支援も実現しました。

  

□ 農業

農業を営む方々の高齢化や、労働者の不足などが問題視されている昨今、IoT技術を取り入れた「スマート農業」の実現に向けて、日本政府も積極的に政策を進めています。農耕機械を利用した無人作業や、ドローンによる農薬散布、農作物の画像解析による収穫時期の判断、害虫の早期発見など、さまざまな応用にも期待が高まっています。

 

また、これらの分野に加え、製造・物流・小売・金融や不動産に至るまで活用分野が広がると予測されています。将来的には日常生活に使用する、ありとあらゆるモノがIoT化されていくにつれて、インターネットに接続するデバイスも日に日に増加していくことでしょう。

 

しかし、膨大な数のデバイスをインターネットに同時多接続した場合、現在のサーバーでは、その容量に耐えることができません。そこで、IoTと親和性の高いブロックチェーンが注目されているのです。

 

ブロックチェーンでは複数の情報をひとまとめ(ブロック)にして管理していく仕組みのため、デバイスの数が増えてもサーバーの負担を軽減することが可能です。また、すべてのデータをハッシュ化するため、改ざんや紛失のリスクも少なく、安全性が担保されます。

 

このように、IoTとブロックチェーンが結びつくことにより、サービスの提供者やユーザーの効率・利便性の向上につながります。ほんの数年後の未来、私たちの生活はより豊かに、想像もしていなかったような変貌を遂げていることでしょう。

#65 IPFS×ブロックチェーン技術=∞

IPFSとブロックチェーン技術を使えば、暗号化されたデータをノード(ユーザー)のサーバ内で分散して保有する形が取れるため、大量のデータを保有・管理する必要がある企業にとって、この技術はとても魅力的なものであり、すでにウィキペディアやGoogleなどをはじめとした大手企業も採用を検討しています。

 

このように、すでに世界が直面しているデータ問題解決方法のひとつとして開発されたIPFSですが、出資者の中には著名な機関投資家に加え、セコイアキャピタルや アンドリーセン・ホロウィッツ、ウィンクルボスキャピタルなど、著名なベンチャーキャピタルも名を連ねています。

 

IPFSの技術は既に様々なサービスの中に実用化されていますが、Webブラウザ「Brave」がIPFSのネイティブサポート開始したことには未来を感じます。

 

これに伴い、「Brave」ではHTTPおよびHTTPSではなく「ipfs://」で始まるURIが使えるようになり、そこで閲覧できる情報はIPFSネットワークにある暗号化され分散されたコンテンツを表示される形になっています。いよいよ、ウェブの新時代が足音を立てて近づいているようです。

#64 増えるデータ・落ちる信頼性

今や世界中の人々がインターネットに常時接続されるデジタル社会を我々は生きています。ネット利用人口が世界的に増えている事に加え、5Gなどの高速データ通信網の拡大により、動画などデータ量の多いストリーミングサービスがますます利用されています。

 

コロナ禍において、コミュニケーションも、仕事も、買い物も、カーナビも、エンターテイメントも、ネットワーク上で完結する時代。2022年現在、世界に現存するデータ量の90%が直近2年間で積み上がったものであることからも、インターネットは今や私たちの生活及び経済活動になくてはならないものになったことが分かります。

 

とどまることのない世界のデータ量ですが、それを保管するサーバの運営管理はGAFAを代表する一部の巨大IT企業のサービスに集中しているため、情報漏洩をはじめとした一極集中によるリスクにさらされています。

 

現在、肥大化するデータ市場の規模や重要度に見合う管理体制が追いついておらず、従来型の維持継続に対して限界が指摘されています。大切なデータが最低限守られるという保証さえ担保されておらず、世界のデータ管理システムは崩壊寸前にあるのです。

 

このリスクや危機に対する救世主となり得る仕組みがIPFSでありFilecoinであり、新時代のデータ管理方法として着実に存在感を増しています。

 

年始のテーマとしても取り上げたファイルコインプロジェクト。今後の展開については、これからも随時発信していきたいと思います。

#63 ファイルコインマイニングの魅力

マイニングに参加している間は、年中無休でFilecoinを掘り続けていることになります。つまり、マイニング報酬としてFIL(暗号通貨)が毎日少しずつ積み上がっていくことによる「インカムゲイン」と、これから先、IPFSのサービス需要と消費者利用が拡大することにより、Filecoinの価格が上昇していけば、売却した時、差益部分が「キャピタルゲイン」として期待できるのです。

 

現在、暗号通貨は数千種類を超えており、なかには実態やコンセプトも曖昧でホワイトペーパーすらなく、誰得レベルのよく分からないモノもたくさんあります。

 

FilecoinはIPFSという実利用の伴うウェブ技術に紐付いた暗号通貨であるため、使途不明瞭なマイニング案件とは異なり、確かな安定性と将来性が見込めます。

 

インターネットの次世代インフラの構築に向けて、その一端を担うFilecoinマイニング。投資としてだけでなく、それが実現した時のことを考えると、ワクワクが止まりません。